セラミックは欠けやすい?耐久性と長持ちさせるための工夫

 

白い歯は割れやすい…は本当?まず“セラミック=ひとつ”ではありません

 

「セラミックは欠けやすいと聞いたけど大丈夫?」「きれいでも長持ちしないなら心配」——こうしたご相談をよくいただきます。結論から言えば、適切な素材選択・設計・接着・噛み合わせ管理・メンテナンスがそろえば、セラミックは十分に長期安定が期待できる素材です。

 

ポイントは、“セラミック”が一種類ではないこと。強度・透明感・加工性が異なるため、部位や噛む力、審美性の希望に合わせた“使い分け”が欠けや破折のリスクを下げます。練馬区・練馬春日町駅のマイスター春日歯科クリニックでは、見た目だけでなく耐久性の根拠を含めてご説明し、納得のうえで選択いただくことを大切にしています。

 

 

“欠け”の正体はどこから?—素材×設計×力のかかり方の三重奏

 

セラミックが欠ける要因は、大きく①素材特性 ②厚みや形態(設計) ③力(咬合・歯ぎしり)の三つです。

 

①素材特性
ジルコニア:非常に高い曲げ強度を持ち、奥歯やブリッジにも対応しやすい“タフ”な素材。透明感は世代により差がありますが、単層(モノリシック)設計なら“表面のチッピング”が起こりにくいのが利点。
リチウムジシリケート(例:e.max系):十分な強度と高い審美性のバランスが良く、前歯や小臼歯、審美領域で活躍。適切な厚みと確実な接着で良好に長持ちします。
ポーセレン築盛タイプ:ジルコニアや金属フレームの上に陶材を盛り上げて仕上げるタイプは、フレームと陶材の界面でチッピング(表層の欠け)が生じ得ますが、設計と咬合調整でリスクを下げられます。
ハイブリッド系:レジンを含むためクッション性はあるものの、経年的な摩耗・着色が出やすい場合も。咬耗が強い方の長期使用には慎重な評価が必要です。

②厚み・形態(設計)
セラミックは必要最小限でも“必要十分な厚み”が求められます。薄すぎれば局所に応力が集中しやすく、割れの原因に。歯を削る量は少ないほど良いですが、“薄くても強い設計”と“過度に薄くしない設計”のバランスが重要です。マージン(境目)の形態や咬合面のカーブも、欠けを防ぐための鍵になります。

③力(咬合・歯ぎしり・食習慣)
強い食いしばり・歯ぎしり(ブラキシズム)は、天然歯をも摩耗・破折させます。当然、修復物にも繰り返し応力が蓄積します。ナイトガードの併用や咬合調整、硬すぎる食材の扱いが、欠けの予防に直結します。

 

 

欠け・破折を遠ざけるために:歯科医院とご自宅でできる実践策

 

・1)素材の“適所適材”と設計—前歯と奥歯で役割が違う

前歯(審美重視・薄めの設計も可):リチウムジシリケートや審美ジルコニアが有力候補。透過性と色調再現を優先しつつ、唇側の厚みや切縁部の強度を確保。
奥歯(力が強い・摩耗が大きい):モノリシック・ジルコニアで一体削り出しにすることで、表層チッピングのリスクを抑制。ブリッジでは支台歯の分散・ポンティック形態を吟味します。

 

・2)“接着”が要(かなめ)—前処理と防湿で寿命が変わる

セラミックの長持ちには、歯面と補綴物の前処理+防湿環境が不可欠です。
エッチング/サンドブラスト/シラン処理など、素材に応じた表面処理を正しく行うこと。
ラバーダムやアイソレーションで唾液・湿気をコントロールし、高機能レジンセメントで化学的に接着。
この“界面の安定”が、脱離やマイクロリーケージ(二次むし歯の入口)を減らし、結果的に欠け・破折のきっかけも遠ざけます。

 

・3)噛み合わせの“仕上げ”—研磨・グレーズと接触管理

装着後に咬合紙で高点を確認し、点でなく面で力を受けるように微調整します。特に犬歯誘導や側方運動時の干渉は、欠けの温床。仕上げは適切なグレーズ・研磨まで行い、粗い表面のまま放置しないこと(粗造面は欠けや摩耗、相手歯のダメージの原因)。

 

・4)ナイトガードの併用—見えない“夜の力”をコントロール

起床時の顎のこわばりや、歯のすり減りが見られる方は就寝時のブラキシズムが疑われます。ナイトガード(スプリント)は、過大な局所応力の分散に効果的。装着直後は違和感があっても、長期安定の“保険”だと考えてください。

 

・5)日常でできる“欠け予防”セルフケア

NG行為:氷を噛む、骨付き肉を勢いよく噛み砕く、殻付きナッツを歯で割る、包みの開封に歯を使う、突然の片側噛み。
初期の慣らし:装着後1〜2週間は極端に硬い食品を控える。噛み癖があれば左右均等を意識。
清掃:フロスや歯間ブラシを毎日、歯ぐきの境目は柔らかめブラシで小刻みに。研磨剤が粗いペーストやメラミンスポンジの使用は避け、歯科推奨のジェル・ペーストを。
定期メンテナンス:3〜4か月ごとに咬合チェックとプロクリーニング。境目のプラーク・ステイン除去は、歯ぐきの炎症と接着界面の劣化を防ぎます。

 

 

“割れないための設計図”をあなたへ—当院の診療フロー

 

力の評価(咬合・姿勢・生活パターン):食いしばりや利き顎、咀嚼リズムを問診と診査で把握。必要に応じて咬合器・写真・動画で確認。
素材の選定:部位・噛む力・審美希望・残存歯質からジルコニア/リチウムジシリケート/ハイブリッド等を比較。
設計と最小限切削:拡大視野で歯質をできるだけ温存しつつ、必要十分の厚みを確保。
印象・製作:口腔内スキャナ(または高精度印象)→CAD設計→CAM削り出し→焼成・グレーズ。
接着・仕上げ:防湿・前処理を徹底し、高機能セメントで接着。最後に咬合調整・研磨まで実施。
装着後のフォロー:ナイトガードの提案、定期メンテで早期の微調整と界面管理を継続。

 

 

まとめ:セラミックは“欠けやすい”ではなく“設計と使い方で長持ちする”

セラミックの耐久性は、素材選択・設計・接着・咬合管理・メンテの総合力で決まります。
ジルコニア(特にモノリシック)やリチウムジシリケートは、適切な厚みと接着・咬合管理があれば長期安定が期待できます。
日常では硬すぎるものを噛み砕かない/均等に噛む/境目を清潔に保つ。そして定期チェックで“小さな兆候”を見逃さないことが、欠け・破折の最大の予防策です。

 

「自分の噛む力だとどの素材が安全?」「前歯は自然に、奥歯は強くしたい」「ナイトガードは必要?」——そんな疑問は、ぜひ一度ご相談ください。練馬春日町駅徒歩2分のマイスター春日歯科クリニックが、あなたの見た目と耐久性を両立する最適解をご提案します。お問い合わせ・カウンセリング予約はお気軽に。

 

 

 

身体の負担軽減を追求したデジタル歯科治療専門クリニック
練馬区春日町「練馬春日町駅」徒歩2分の歯医者・歯科
マイスター春日歯科クリニック練馬
住所:東京都練馬区春日町3-29-8 3F

TEL:03-6768-6480

Contact usお問い合わせ

練馬区練馬春日町の歯医者・歯科、マイスター春日歯科クリニック練馬
各種お問い合わせは下記よりお願い致します。